貧血 〜鉄分不足が多くの原因〜

 貧血は赤血球数とヘモグロビン(血色素)量が正常よりも低い状態のことをいいます。貧血にはいくつか種類がありますが、中でも多いのは、体内の鉄分が不足して起こる鉄欠乏症貧血です。これは偏食や栄養不足、急激なダイエットなどが原因で起こります。
  このほか、赤血球が通常より早く壊れて起こる溶血性貧血や、ビタミンB12不足によって起こる悪性貧血、赤血球をつくる骨髄機能の低下が原因の再生不良性貧血などがあります。
 なお、たちくらみやめまいなどを起こす脳貧血と呼ばれる症状がありますが、この脳貧血は俗称で、正式には起立性低血圧といいます。これは一時的に脳に流れる血液の量が少なくなることで起こり、貧血とは別物です。

原因の確認が大切

 貧血になると、動悸や息切れが起こりやすい、集中力が低下する、疲れやすいなどの症状が出てきます。貧血は場合によっては血液の病気、胃腸病による出血やがんの原因であることもあります。貧血と診断されたら、その原因を調べてみましょう。

貧血を防ぐために

鉄分を多く含む食品をとる
レバーや豚肉、海藻、ほうれん草など鉄分が多く含まれている食品を食べるようにしましょう。成人の鉄所要量は1日あたり男性で10mg、女性で10〜12mgです。鉄欠乏症貧血の場合はそれ以上必要です。

鉄の吸収を高める食品をとる
食べ合わせで効率よく鉄分をとることができます。鉄分の吸収を助けるのがビタミンC。たんぱく質と鉄分を含む食品の組み合わせも効率的です。
逆に避けたいのがお茶です。お茶に含まれるタンニンという成分が鉄の吸収を妨げるので、鉄分摂取の食前・後は控えた方が良いでしょう。

食生活を改善する
1日3食、バランスのとれた食事を心がけましょう。朝食をきちんととり、インスタント食品は控えるようにするのが重要です。