肝臓病 〜自覚症状がはっきりしない〜

 肝臓は、コレステロールの合成、グリコーゲンやビタミンの貯蔵、エネルギーの供給、たんぱく質の合成、有害物質の無毒化、胆汁の分泌などさまざまな働きをする重要な器官です。その肝臓が悪くなると、急性肝炎、肝硬変、肝臓がん、慢性肝炎、脂肪肝、アルコール性肝障害などが引き起こされます。
 また、胆管系の異常や赤血球の破壊(溶血)からビリルビンが増加し、黄疸が起こる場合があります。

アルコール性肝障害

 アルコールは肝臓で分解されるため、アルコールの摂りすぎは肝臓に負担をかけます。
  γ-GTPという検査値は特にアルコールに敏感に反応するので、この値が上がっていたら禁酒、少なくとも飲酒量を減らすように心掛けましょう。

脂肪肝

 肝臓の細胞に脂肪がたまりすぎた状態をいいます。原因としては、肥満(過食、アルコールの飲みすぎ)などが考えられます。脂肪肝は典型的な生活習慣病なので、生活習慣の改善によって治療と予防が可能です。減量(運動、禁酒など)することが大切です。

急性肝炎

 ウイルスが原因の場合が多いです。発熱、食欲不振、疲労感、黄疸などの症状が現れます。

慢性肝炎

 肝機能障害が6ヵ月以上続いている場合を指します。自分の感じる症状がほとんどないため、定期的な血液検査によるチェックが必要です。

肝硬変

 肝臓が硬くなり本来の機能が果たせなくなった状態。肝臓がんに移行する場合もあります。

肝臓病を防ぐために

良質なたんぱく質をとる
大豆製品や魚、牛乳、卵など良質のたんぱく質を多く含んだ食品をとるように心がけましょう。

お酒を控える
お酒の飲みすぎは脂肪肝の原因となります。飲酒量を減らすようにしましょう。

ビタミンやミネラルを含んだ食品を食べる
ビタミンやミネラルは肝機能の回復を早めてくれます。これらを多く含む野菜や果物、海藻などをできるだけとるようにしましょう。